高校生の頃にパンクの洗礼を受けて以来、いまだに身体に染み付いているんですよね。
ファッションであったり、音楽の好み、THE CLASHのジョーストラマーに思想など影響されまくってますね。
ただ問題は、このパンクロックって実は正体がなんとなくハッキリしない。
これがパンクロックだよって皆んなが納得するバンドって『SEX PISTOLS』だけだと思う。
ロンドンにおいてのピストルズの影響は凄まじく、実際このムーブメントはピストルズが起こしたものでしょう。ピストルズが出てきて世界が一変しましたね。
とは言ってもピストルズの音がパンクロックの基本ではないし、プロデュースされて作られたファッションやパフォーマンスもマルコムマクラレンとヴィヴィアンの才能によるところだし、どうも全てではない感じがする。
DRAGONCELLO的解釈をしていくと、1977年の前後の何年かのごく短い時間がこのムーブメントと定義しましょう。この時代に若者で実際この時代の空気を感じていないと中々理解できなそうです。
大事な要素の1つが、
ハードロック
プログレッシブロック
そして、グラムロックが1970年辺り流行ってきます。
元々ロックやブルースは思春期の若者のモヤモヤした色々な感情をその時代ごとに魅力的なスターが代弁してくれていた。=『若者の音楽』だったってこと。
プログレッシブロックに代表されるこの辺りのロックって、卓越した演奏技術を全面に表現し新しいテクノロジーを融合させた前衛的なものでした。
かっこいいし、魅力あるスターもいるんだけど、『若者の音楽』って部分がが薄くなってきた。もう大人の音楽になって行った。ロックが成熟してきた証拠とも取れるのですが。
もう1つ大事な要素がロンドンの経済が最悪の状態だったこと。
失業率は高く働きたくても働けないから慢性的に貧乏。
建設途中で資金が足りず、取りやめになった廃墟化したビル。若者たちはそんな所にたむろしてモヤモヤしながら毎日を過ごしている。一昔前の世代は高度経済成長の中、裕福な生活が当たり前だったのに自分達のこのクソみたいな生活はなんなんだ。
誰のせいなんだ?
これから俺たちはどこの行けばいい?
この時代にロンドンで暮らしていた若者たちの絶望にも近い空気感。
こうしてロンドンの若者たちの鬱憤がピークに向かったある日、SEX PISTOLSがでてくるんです。
ライブハウスでバーンと3コードぐらいの喧しい爆音を客席に向け、寝癖みたいな髪型は怒った猿の様。あちこち破けたボロに見えるガーゼ生地のファッションやピチピチのレザーパンツ。
明らかに大人たちの成熟したロックと違う。衝撃的なデビュー。
これを見たロンドン子は歓喜して飛びついた。
これぞ俺たちの音楽、自分達がなんだか分からないモヤモヤを代弁してくれていて、このクソみたいな世界を破壊してくれそう。=若者のためのロックが帰ってきた瞬間です。
コメント