季節は春。
日本でも桜の花の季節にイタリアに行った時の話。
美味しい食事を求めて『Agriturismo all’Eremo』に行きました。
ここは教会が運営するアグリツーリズモで、レストランも敷地内で取れるさまざまな食材を使っています。オーガニックな食材を美味しく料理してくれると地元で人気の場所です。
ランチを頂いたのですが、パーティ会場のようにダイニングルームは賑わっていました。
このレストランも流石イタリアといったホスピタリティで、前菜からパスタでもかなりボリュームがあった上、メインディッシュの炭焼きの肉料理もガッツリでした。
さらにオーダーしていないリゾットや付け合わせ野菜なんかをカメリエーレさん達が持ち回ってくるんで、ついつい『それ頂戴』って言ってしまう。
旨いのなんのって、またしても食べ過ぎてしまうんです。幸せですが。
さて、食事を終えて敷地内を腹ごなしを兼ねて散策してゆっくりと素敵な午後の時間を過ごしました。
みんなで車に乗り込み、さあお家に戻りましょう。
ちょうど道のりの半分ぐらいでしょうか、突然オレアナお母さんが何やら叫んで車を停めます。
なんだか分からないけど、歓喜の叫びです。僕以外はみんな嬉しそう。
なんでしょうか?どうやら『ぶるすかんどりー』と叫んでいる様です。
全員車を降りて、オレアナお母さんの向かう野っ原の茂みに入っていきます。
見慣れない緑の植物を嬉しそうに収穫するイタリア人たち・・・
なんでしたっけ、あの有名な絵画、ミレー?の、落穂拾い!あんな感じでした。
僕にはどれがそのブルスカンドリなんだか分からないので、全くの役立たずでしたね。
見てるだけ。これ美味しそうでしょ?って言われても青々とした雑草にしか見えないし、お腹もいっぱいなのもあって、ふーんよかったねーとは言ったものの興味ゼロでしたね、その時は。
次の日のディナーでは、オレアナお母さんの得意のウサギの料理を頂いたのですが、付け合わせに早速ブルスカンドリのソテーを作ってくれました。
食べて解りましたが、旬の野菜にはパワーがあります。その辺に生えてるおかげで、野生の力強さがありました。菜の花に似た苦味でしょうか?茎が歯応えあるので、元別の青い香りもあり美味しいんですよね。その後リゾットもブルスカンドリで作ってけたんですが、主張のある青臭さがチーズとバターでマイルドになっていて、こちらも美味でした。
オレアナお母さんご馳走様でした。
日本に帰ってきてから調べたら、どうやらホップなんだそうですね。
ビールの苦味を出すものとしてだけの認識しかなかったので、そのものを食べるなんて、想像もしていませんでした。日本にもその辺に生えているのかしら?機会があったらまた、食べたいです。
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