SASSICAIA サッシカイア イタリアで一番有名なワイン

イタリアワイン
サッシカイア

間違いなくイタリアで一番有名なワインです。
・・・

間違えました。
サッシカイアはイタリアワインの中で世界的に一番有名。
日本語は難しい・・・

勿論、サッシカイアはイタリアの中でも有名ですが、もっと歴史的にも古く名声のあるワインは沢山あるのでこうして置きます。

では、このサッシカイア、なぜ新参者のくせにこんなに有名になれたのか?

まず、基本情報を書いておくと以下の通り。

造り手のTENUTA SAN GUIDO テヌータサングイドは貴族で、そのコネクションでフランスはボルドーの一級シャトーであるシャトーラフィットロートシルトからカベルネソーヴィニョンの苗を調達した。

本拠地、トスカーナ州のボルゲリはボルドーの土壌とカリフォルニアの気候を持つ場所と言われている。

家系を辿るとフィレンツェの名門マルケーゼ・アンティノーリ家の親戚であり、そもそもボルゲリ地区一帯はアンティノーリ家の夏の別荘、保養地みたいなところでした。

アンティノーリで活躍していた敏腕エノロゴ=ワイン醸造家のジャコモ・タキースを紹介してもらう。

時は1970年代。

ラフィットのようなワインを造りたくて、ボルゲリにカベルネを植え始める。

初めは自家消費用の趣味的なワインを自分のために造ろうとしていたのでしょう。
そこは流石貴族。
お金のかけ方が違うので結果、スーパーなワインが出来てしまいます。

ワインのコンペにおいて、ブラインドテイスティングで本物のボルドーのトップシャトーを抜いてしまったエピソードも有名です。

フレンチパラドックス。これは1990年代にアメリカで提唱された考え方です。
アメリカ人と同じように肉食のフランス人はなぜ、アメリカ人に比べ心臓疾患を筆頭に成人病が少ないのか?考察した結果、フランス人は食事と共に大量のワインを飲んでいる、ことに着目。

と、云うことは。
ワインに含まれている豊富なポリフェノールによる効果なんじゃない?

って、なりました。

これはちゃんとした学説として、権威ある科学雑誌に載った事から、アメリカで空前の赤ワインブームが起きるんです。
そして、ソムリエという言葉さえ一般的に認知されていなかった日本でも、1995年ソムリエ世界大会が東京で行われました。
その大会でその時代の日本ソムリエ界のスターであった、現日本ソムリエ協会、会長田崎真也さんが優勝したんですが・・・
この奇跡の流れが1990年代後半に日本でもワインブームを引き起こしました。

この世界的なワインブームに乗ってきたのがサッシカイアを筆頭とするスーパートスカーナだったわけです。

いち早く流行りを掴んだのは、アメリカのワインショップで、スーパートスカーナのコーナーをもうけ、サッシカイア、ソライア、ティニャネッロなどを売り出していたんですよね。

スーパートスカーナの定義は、昔から栽培されていたサンジョヴェーゼではなく国際品種のカベルネ系の葡萄を使ったイケてるトスカーナの新進気鋭のワインを指すんだと思います。
何せ、定義と言ってもアメリカのワインショップが勝手に名付けたので・・・こんな感じでしょうねー。

サッシカイア

さて、そんなに有名なワインならさぞかし美味しいのでしょうね、と思ったでしょう?

ここでサッシカイアの味わいをDRAGONCELLOの独断で解説します。

少なくとも1998年以降のヴィンテージに関しては文句なく素晴らしいワインです。
カベルネ・ソーヴィニョンをベースにカベルネ・フランを混ぜた構成。

なので、カベルネ系のワインが好きな方からの評判はすこぶる良く、オーパスワンなどのワインと比べられることもしばしばありますね。

一言で表現すると『シンプルながらボルドーともカリフォルニアとも違う、唯一無二の味わいを表現している』ですかね。

もちろん、高級ワインになくてはならないフィネス(=凝縮度と余韻の長さ)を持ち合わせていることは大前提として、厳格なボルドーほど厳格ではなく、開放的なカリフォルニアほど明るくもない。

絶妙なバランスの魅力的なワインであることは間違い無いのです。

ん?ん?シニアソムリエなのにコメントが雑?
アロマがどうこう、森の下草のなんとか、猫のおしっこがなんちゃらとか・・・じゃないの?

そーゆー意見があると思って、最高に昼寝できそうなコメントのお手本みたいな動画上に貼って置きました。カシスの香りがどうとか言っているので、興味ある人は開いてみて。

では、1998年以前はどうだったかと言うと、これがソムリエ泣かせで、まるでギャンブル。
毎年のクオリティーの品質差が凄くて使いずらいワインだと思っていました。

良い時のサッシカイアは本当に凄くて開けた瞬間に香りが広がって、魅力的。
イケてない時のは、もう全て薄いんですね。高級ワインとしては失格のレベルの時もある。

結局、イケてようが、イケて無かろうが、そこから1年間次のヴィンテージがリリースされるまではそのワインを3万円ぐらいで販売するのでドキドキもんです。

まっ、ワインなんて農産物ですから、年によって出来、不出来もあるのは解るんですがね。
確かサッシカイアの畑って50ヘクタールぐらいあったんじゃないかな?
葡萄の出来が悪かったら収量を落として凝縮度を高めたり出来るんじゃないの?
と、思っていました。

おそらく、近年品質が安定してきたのは、サッシカイアのセカンドワイン、サードワインが造られたことや醸造技術の発達、設備の充実などが想像できます。

とにかく、毎年美味しいので安心して抜栓できるようになったのはありがたいです。

サッシカイア

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