西洋料理のレストランに行って、食事は美味しそうなものをオーダー出来たけど・・・
ワインって何頼んでいいのか分からん!
こんな事や、ちゃんと店員さんに伝えたはずなのに好みと違うワインが出てきたとか・・・
今までにありませんでした?
これには色んな原因があって、それによってお店側とお客さんとの間に、イメージの差が生まれて起こっています。
さて、今回は出来るだけ自分好みのワインをオーダー出来る様に『失敗しないワイン選び』をソムリエ目線で解説していこうと思います。
まず、なんで『好みと違うワインが出てきた』のか、考えられる原因を挙げてみましょう。
店員さんがワインについて詳しくなかった。
そのお店の品揃えが偏っていた、または貧弱だった。
ソムリエさんがいるお店でも品揃えの個性が強すぎて好みに合わない。
好みのワインの特徴の伝え方が悪かった。
上記のうち初めの2つは、間違いなくレストラン側に責任がありますね。
とは言っても、レストランに働いているからってワインに詳しいかどうかは別の話なので、早い段階で気付いてあげることが重要です。お薦めを聞いてもあやふやな感じっだったりしたら、早まって頼まないで、作戦を変えることを考えましょう。
2番目の品揃いに関してもプロがいないレストランでありがちです。
価格帯が極端に偏っているとか、そもそも品数が少なくて選び様が無いとかもありますね。
3番目たとえ、ソムリエさんがいたとしてもお店の個性を出そうと偏った品揃えになってしまうケースもよく見ますね。
最近多いのは、自然派とかビオワインと云われるジャンルに特化しているところも多いです。
お店自体オーガニック食材やヴィーガン対応していたり、身体に優しいなどのコンセプトがあるレストランでは、ワインも酸化防止剤無添加で葡萄栽培も有機やオーガニック認証をとっているなどを取り揃えることが多いですね。
4番目もレストランでありがちな光景ですが、お客さんの表現が分かりづらくて結果的外れなワインをお薦めしてしまう事や、お客さんが色んなことを言いすぎて店員さんが混乱してしまうケースもあります。
では次に、順に解決方法を考えてにましょう。
1番目と2番目はそもそもプロがいないお店なので、店員さんには頼れません。
ここは仕方がないので、自力で選んでいきましょう。
この手のお店ではちょうどいい値頃感のセンスのいいワインは期待できないので、初めからワインじゃないビールとかで我慢するのか、一番安い水のような白ワインかスパークリングワインをキンキンに冷やして飲むかがお薦めです。赤ワインはハズレを引く可能性が大きいのでお薦めしません。
それでも、リストの中から良質なものを絶対選んでやる!
って気合の入った方は、ゆっくり時間をとってネットで1銘柄づつ検索してください。これしかないでしょう。
3番目の厄介なところは、プロがいるのに個性が強すぎて口に合わないワインを飲む羽目になってしまう可能性がある所。お店側はプライドを持って本気で美味しいと思っているのですから。
できれば、お店に行く前にどんなコンセプトなのかを予習することをお勧めします。
その上で、あまり個性的ではない、バランスの良いものを薦めてもらうのが良いでしょう。
この手のお店ほど価格だけで自分で選ばない方が無難です。
さて、4番目はあなたの伝え方が下手くそだった場合。
今回、一番伝えたいのがこの解決法方です。
最近では少なくなりましたが、お客さんが無邪気に言うワインの特徴が全く理解できなくて間違ったものを提供してしまった時代もありました。
今では百戦錬磨とは言わないまでもソムリエとして良い経験をしてきましたので、満足度の高いワインを提供できるようになりました。日々勉強ですね。
ソムリエって基本的にフランスの文化なんですよね。
イタリア語にもソムリエに代わる言葉はなくって、フランス語のソムリエを使っているんです。
ここから解ることは、ワインの表現って『フランス人が感じる表現』の事なんです。
例えば、フランスってパルファム=香水の文化が浸透してるじゃないですか?
フランス人にとって香りってこのパルファムのことを指すことも多く、無臭を愛する日本人には中々わからない事も多いんですよね。
『木苺の香り』をフランス人が表現したのと日本人が表現したものにもう違いがある。
日本人は生の木苺の香りを想像しがちですから、もうギャップがある。
ソムリエの勉強をするってことはフランス人の感覚を理解することなんです。
ソムリエ用語というか、そういうのってフランス人の感覚を翻訳したものなんで、それを勉強したソムリエさんとお客さんの間には基本開きがある。『重いワイン』ってソムリエさんが思うものとお客さんが思うのとではちょっと違うんですよね。
言い訳するわけでは無いのですが、ここを理解していないとお互いに距離が縮められません。
なんか恋愛の話みたいですね・・・
でも、お客さん側もこれを理解しているだけで、ワインライフ、レストランライフが断然楽しくなりますよ。
では、どう聞いたらイタリア料理屋さんで好みのワインが頼めるようになるのか?
まずは、いつも飲んでいる派院を店員さんに伝えてみましょう。
例えば、フランスワインが好きでよく飲んでいるとしたら、白なら『シャブリ』が好きとか、ブルゴーニュの『ムルソー』がこの間飲んで美味しかったとか伝えます。
赤ならボルドーの『ポムロール』が好きとか、ブルゴーニュの『ヴォーヌロマネ』などキーワードを伝える。
もしくは、携帯で撮った写真を見せるとソムリエさんはある程度参考になります。
もちろん、カリフォルニアワインでもスペインでも構わないので、自分が今まで飲んだもので美味しかったワインを銘柄で伝えるのが一番早いです。
ただ、値段のリミットを伝えないと会計がとんでも無い事になる可能性があります。
上記のシャブリだってピンからキリまであってテーブルワインみたいな値段から上はレストラン価格で2万円ぐらいする銘柄もありますので、できれば1万円以内でとか値段も伝えたほうがいいですよ。
ソムリエさんて『このお客さんは美味しいワインを知っている』って判断したら値段も高くてもいいのねってマインドになりやすので、気を付けましょう。
さて、問題は銘柄も分からない、写真も残っていない状態から美味しいワインを見つける方法です。
ここで役に立つのはグラスワインを活用する事。
どうするかって言うと、あなたが『しっかりした重い赤ワイン』お肉に合わせて頼みたいとします。
ボトルで赤ワインを頼みたいんだけど、どれを選んでいいのか分からない趣旨をソムリエさんに伝えます。
そして、今抜栓してあるグラス用のワインの中で、お肉料理に合いそうな重めのワインをちょっとだけテイスティングさせて貰ってください。
そのちょっとだけ試飲したワインを軸にもっと濃い方が好きとかこれよりも酸っぱく無い方がいいとかを言ってあげると、ソムリエさんも選びやすくなりますよ。
ここでも値段の上限は確実に伝えてくださいね。
最後に、よくお客さんから聞くのが
『フランスワインもカリフォルニアワインもよく飲むんだけどイタリアワインだけはよく分からないんだよー。』
これ正直、お客さんの気持ち解ります。
イタリアワインって本当に体系的に勉強するのが難しいんですよね。
料理と同じで地方色が強く、葡萄の品種も土着の聞いたことないものが原料だったり。
ラベルにもDOCと言って原産地呼称名しかなく、何が書いてあるのか分からない。
1本1本、ワインの個性が強いので、その都度覚えていくしか無い感じですかね。
ソムリエさんも勉強するのに困るんですよね。
この辺りのことは別に記事にしてみようと思っています。
次回、近いうちにこの辺りの攻略方法を僕なりにまとめます。
ホント、難しい。けど、一度解り始めるとイタリアワインってメッチャ楽しいんで、皆さんも一緒に勉強しませんか?
イタリアワイン
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